連載|万年筆専用手帳 開発物語 vo.2|紙選びのテストと製本

万年筆専用手帳の初回サンプルが届いたのでテストしています。

今回開発のポイントにしている事。

  • 万年筆のインクに耐えられる
  • 滲まない
  • 紙の表面に薬品などの加工がない
  • 万年筆のペン先がなめらかに走る
  • スタンプを押せる
  • マスキングテープが貼れる
  • がばっとページが開きやすい

ひとまず描いたり乾かしたりを繰り返しています。手帳のメーカーさんに相談して初回は4種類の紙から。ある程度「あのメーカーの手帳はコレを使っている」という紙選定は業界の中で知れ渡っているようで、相談するとすぐ紙を教えていただけました。手帳を作り続けていると、触って分かるレベルに詳しくなるそうです。何事も専門の人の知識は素晴らしいです。

ちなみにテストはこんな感じでします。

  • 文字を数行
  • スタンプ
  • イラスト

この3つを組み合わせて書きます。乾きやペン先の走りを見ます。ポストイットに感触や気付いたことをメモしています。日中と夜でも感じが変わったり、数日経つとインクがしまってくるので、日を変えながら時間があるときにちょこちょこ試しています。

ちなみに文章は長いとテストしにくいので「カキフライが無いなら来なかった」というせきしろさんと又吉さんの自由俳句を見ながら書いています。ちょうどいいテスト書きができるのと、好きな詩が多いので書いていて楽しい感じがします。テスト書きなので字が汚いのはご愛敬で。

 

 

他に裏がどう透けるかも観察しています。ここに来て紙は選びやすいのですが、製本の問題にぶつかってしまいました。

 

 

万年筆で「字」を書くだけであれば、メーカーに蓄積された紙の知識でご相談できたのですが、私のシンプルスケッチは「絵」を描くので、黒で塗りつぶす箇所の裏のスケがどうしても激しく出てしまいます。

サンプルで作った手帳の紙を厚くしてカバーしようとしたら、製本機で入らないという。これは困りました。

 

私自身も、やはり裏が透けない手帳を作りたいのが目標なので、ここをどうクリアしたら良いか悩み中です。

 

 

こんな感じでTwitterでアンケートを取っているのですが、手帳の裏が透けるのが気になる方は多いですね。(アンケートに答えて下さったみなさまありがとうございます)

さてさて、紙は良い感じの好きな物があるのですが、欲しい厚さだと製本ができない。困りました。一旦ここで、手詰まりを起こしたので、視点を変えて製本が詳しい方を探そうと思います。

思えば絵本などは結構紙が厚くてもしっかり製本できており、小さな子どもたちが触っても壊れにくいように強度があるそうなんです。ほかにプロ用の写真を印刷する会社とお取引があるので、厚い紙の製本を質問してみようと思っています。

ちなみに紙が厚くなっても、リング製本を選べばすぐに完成するのですが、リング製本は手がぶつかって絵が描きにくかったり、鞄の中でリングが壊れて他の物を傷つけるコトもあるそうなので、やはり通常の手帳らしい製本をしたいなぁと思っています。

 

一旦、万年筆専用手帳製作日記。紙選びは中断して、製本研究に進もうと思います。

 


 

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1980年東京生まれ、北海道育ち。高校在学中にプロのイラストレーターとして活動を開始する。 子ども・女性向けの絵、暮らしのシンプルな絵を得意とする。ドイツの万年筆LAMYsafariで描く「LAMY Sketch」が人気。